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tarte&cafe いとお菓子の更新担当の中西です。
~ケーキの起源~
ケーキと聞くと、誕生日や記念日、クリスマスなど“特別な日の主役”というイメージが強いですよね。でも実は、ケーキの歴史は想像以上に古く、そして「甘いものが貴重だった時代」から「誰もが楽しめる日常のおやつ」へと、社会の変化とともに進化してきました。今回はまず、ケーキの原点をたどりながら、なぜ人は“甘くてふわふわ”に心を奪われ続けるのか、その背景に迫ります。✨
いま私たちが思い浮かべるケーキは、スポンジがふんわりしていて、クリームやフルーツがたっぷり…という姿ですが、最初のケーキはそれとはかなり違います。古代の「ケーキ的なもの」は、どちらかというと甘みを加えたパンや焼き菓子でした。
理由は単純で、昔は砂糖が高級品だったからです。甘味は蜂蜜や果物の糖分が中心で、バターや卵も今ほど安定して手に入るわけではありません。つまり、ケーキとは「贅沢な材料を混ぜて焼いた、特別なパン」に近い存在だったのです。
ケーキの歴史を語るとき、しばしば登場するのが古代エジプトや古代ギリシャ。彼らは穀物を粉にして焼く技術を持ち、蜂蜜やナッツを加えた甘い焼き菓子を作っていました。
特に古代ギリシャでは、神々に捧げる供物として「蜂蜜を使った丸い菓子」が作られたとも言われます。丸い形は月や永遠♾️を象徴し、儀式性を帯びていた可能性もあります。
このあたりから、ケーキが「日常食」ではなく「祝いや祈りの象徴」として根付いていったことが見えてきます。✨
ローマ帝国の時代になると、食文化が一気に広がり、菓子も洗練されていきます。粉に卵や乳製品を混ぜ、甘味を足し、香りづけをする――いまのケーキに通じる“レシピの発想”がこの頃から確立されていったと考えられています。
ただし、ここでも砂糖はまだ一般的ではありません。主役は蜂蜜。保存性と甘味があり、宗教儀礼や祝い事に使うのにぴったりでした。✨
中世に入ると、砂糖が少しずつヨーロッパに流通し始めますが、砂糖は非常に高価で、富裕層の象徴でした。
つまりケーキは、庶民が気軽に食べるものではなく、王侯貴族や修道院の特別な菓子として発展します。
祝宴の席では豪華な菓子が並び、スパイス(シナモンやクローブなど)も使われて“香りの贅沢”が演出されるようになります。ケーキは味だけでなく、権威や富を見せる舞台装置にもなっていったのです。✨
現代のスポンジケーキの特徴は、なんといっても“ふわふわ”。でも、あの軽さは自然に生まれたわけではありません。昔の焼き菓子はどちらかというと詰まった食感で、パンに近いものでした。
ふわふわを可能にしたのは、
卵を泡立てる技術
バターを空気を含ませて混ぜる技術
ベーキングパウダーなど膨張剤の発明
こうした工夫と科学です。
ケーキの歴史は、甘さの歴史であり、同時に“空気を食べる技術”の歴史でもあるんですね。
ケーキが特別なのは、単に甘いからではありません。
手間がかかる
祝い事と結びついている
見た目が華やか
分け合う文化がある
こうした要素が重なり、「ケーキ=幸せの象徴」になりました。✨
昔、砂糖が貴重だった時代の名残が、いまもケーキの価値観に残っている。だからこそ、ケーキは“日常の中の非日常”として、人の心を動かし続けるのです。